現在、燃料アンモニアは、既存の石炭火力発電所で
石炭と混ぜて燃やす(混焼)実証プロジェクトが行われています。
発電コストも、水素の専焼や石油火力発電に比べて低く経済性も確保できるため、
脱炭素に向けた重要な技術として世界中の注目を集めています。
混焼と専焼の2ステップで
発電量を変えずにCO₂排出量を削減
燃料アンモニアの導入により、日本のCO₂排出の4割を占める
発電によるCO₂排出量を最大5割低減できると見込まれています。
ステップ1 混焼
石炭やLNGなどの化石燃料に混ぜて燃やします。
2018年に水島石炭火力発電所で混焼に成功し、2021年から碧南石炭火力発電所で効率よく燃焼させるための実証プロジェクトが始まっています。
1基あたり約100万t削減※
※ 20%アンモニア混焼の場合
国内大手電力会社の石炭火力発電所合計
約4000万t 削減
ステップ2 専焼
アンモニアのみを燃料として使用。
小型ガスタービンでは既に実績があり、2030年代には大型火力発電所での実現を目指しています。
1基あたり約500万t削減
国内大手電力会社の石炭火力発電所合計
約2億t 削減
電力部門でのCO₂排出量の約半分
日本のCO₂排出量の2割
発電によるCO₂排出量を
最大5割低減
アンモニアは燃焼しても温室効果ガス(CO₂)を排出しない「カーボンフリー」の燃料。
現在、既存の石炭火力発電所で石炭と混ぜて燃やすこと(混焼)でCO₂の排出量を抑える
実証段階にあり、さらにアンモニアだけを燃料とした専焼発電を視野に入れた技術開発が進められています。
また、発電コストは水素の専焼や石油火力発電に比べて低く経済性も確保できます。
新技術で製造工程もカーボンフリーに!
アンモニアは、再生可能エネルギー、または天然ガスなどの化石燃料から製造できます。
様々な原料から製造できるアンモニアは、石油のような資源偏在性がなく、高い供給安定性が期待できるのも強み。
製造工程では、最新科学技術を活用して、真の「カーボンフリー」の実現を目指します。
将来的には… こんなふうに脱炭素を実現します!
※化石燃料からアンモニアを製造する際には、アンモニアの製造時に排出されるCO₂を分離・回収・
貯留(CCS)したり、再利用(CCUS)する技術で、CO₂の大気への排出量を抑制します。
国家で挑む安定調達
燃料アンモニアの活用に向けて
2020年10月に設立された「燃料アンモニア導入官民協議会」では、民間企業と政府機関が協働して燃料アンモニアの導入及び活用拡大に向けて取り組んでいます。特に重要なのはサプライチェーンの構築。
現在、生産されたアンモニアのほとんどが生産国で消費されているため、安定したサプライチェーンの構築が必須となります。
資源エネルギー庁は、協議会での検討結果も活用しながら、燃料アンモニアサプライチェーンの構築をはじめとするその他諸課題の解決と燃料アンモニアの利用拡大に向け、具体的な検討を行っています。