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Q1


石炭火力でのアンモニアの混焼は石炭火力の延命なのではないか?

A. 石炭火力からのGHGを早期に削減するための方法であり、将来は石炭からアンモニアへの燃料転換を目指します。
  • アンモニアは過渡的な代替燃料とされる場合がありますが、最終的には専焼(アンモニアだけを燃料として燃焼させる)が可能です。例えば、現在実証が進められている石炭火力発電でのアンモニア混焼では、段階的に混焼率を上げ、最終的にアンモニア専焼化することで、CO2を排出しない火力発電所=ゼロエミッション火力発電への移行が可能となります。従ってアンモニアは、過渡的なものとしてだけではなく、サスティナブルな燃料であると言えます。
  • カーボンニュートラルの達成に向けては、国内の再生可能エネルギーを最大限導入することが必要です。一方で、エネルギー需要を満たす供給力・調整力を確保するためには、一定比率の火力発電も必要となります。この火力発電のカーボンニュートラル化のためには、バイオマス、水素、アンモニアなどの脱炭素燃料を、それぞれの特長を生かしながら補完的にバランスよく利用する必要があると考えます。これらを総合することによって、トータルでのゼロエミッション化を目指します。
  • 特にアンモニアは、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)※1 およびアンモニアエネルギー協会(AEA)※2 によって、長距離海上輸送や貯蔵の面で、性状およびコスト上、最有力の脱炭素燃料であると位置付けられています1)
  • アンモニアの利用は、世界規模での再生可能エネルギーの導入促進にもつながります。太陽光や風力などの再生可能エネルギーの賦存量が大きく発電コストが安価な海外において、その電力から水素を作り、アンモニアに変換して日本に輸入し、そのアンモニアにより発電する。これは世界規模での再生可能エネルギー利用のモデルとも言え、日本は、国際連携を通じてそれを先導する役割を担うことになります。
  • 日本政府は現在、グリーンイノベーション(GI)基金事業※3 の「燃料アンモニアサプライチェーンの構築」プロジェクトにおいて、アンモニア発電利用における高混焼化・専焼化の技術開発を推進しています2)。また、資源エネルギー庁が主導する「長期脱炭素電源オークション」※4 においても、専焼化への道筋をつけることを条件にアンモニア混焼が制度適用の対象となっており、こうした制度によっても、アンモニア専焼への転換が持続的に促進されると思われます3)

※1「国際再生可能エネルギー機関(IRENA)」: 再生可能エネルギーを世界規模で普及促進する国際機関。2023年2月7日現在、世界の168か国が加盟。

※2「アンモニアエネルギー協会(AEA)」:  米国に本部を置く、クリーンアンモニアの製造・流通・利用の普及促進に向けた活動を進める国際団体。2023年2月7日現在、世界の関連企業197社が加入。

※3「グリーンイノベーション(GI)基金事業」: エネルギー・産業部門の構造転換やイノベーション等の取組の加速のため、野心的で具体的な目標の達成に取り組む企業等に対する、国立研究開発法人エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が統括する支援事業。

※4「長期脱炭素電源オークション」: 脱炭素電源への新規投資の確保・促進を目的とした、脱炭素電源への新規投資に対する原則20年間にわたる支援制度。

1) International Renewable Energy Agency (IRENA) and Ammonia Energy Association (AEA), “Inovation Outlook: Renewable Ammonia” (2022)

https://www.irena.org/-/media/Files/IRENA/Agency/Publication/2022/May/IRENA_Innovation_Outlook_Ammonia_2022.pdf?rev=50e91f792d3442279fca0d4ee24757ea

2) NEDO, グリーンイノベーション基金「燃料アンモニアサプライチェーンの構築」 (2022.10.05)

https://green-innovation.nedo.go.jp/project/building-fuel-ammonia-supply-chain/

3) 経済産業省, 電力・ガス基本政策小委員会 制度検討作業部会, 「第八次中間とりまとめ」 (2022.10)

https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/denryoku_gas/seido_kento/pdf/20221003_1.pdf

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